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Manic-depressiveな日々

精神病質的な日々を送る私がつらつらと・・・

フランス大統領選挙について

今流行のフランス大統領選挙について

  

今回の目次

 

今までの大統領選と今回の大統領選について

8日に行われたフランス大統領選挙は2002年の再来かと思うくらいの戦局である。

その年の大統領選挙では、国民戦線*1のジャン・マリー・ル・ペン氏と国民運動連合(現:共和党)のジャック・シラク氏の戦いであった。この選挙では、極右のイメージが強かったル・ペン氏を避けるためにフランス国民はシラク氏に投票し彼は圧勝した。

今回の選挙を見てみると、国民戦線のマリーヌ・ル・ペン女史(先のル・ペン氏の娘)と前進!(アン・マルシュ!)のエマニュエル・マクロン氏の闘いである。思想で見ると父より軟化したが、民族主義であるル・ペン女史に対して新自由主義であるマクロン氏の国民にとっては魅力のない闘いである。

なぜ魅力がないのか。これは今までフランス大統領を担っていた社会党共和党がなくどこを支持すれば安泰な基盤を継続できるかが考えられないからだと考えられる。先の2002年の選挙では国民戦線に対して共和党であったため国民は逃げれたのだが、今回の選挙では安心して逃げれない。

フランス人のレティシヤ・ブセイユ女史が書くこの記事では頭を悩ますフランス人の本音が見れる。

toyokeizai.net

 

フランスの選挙制度について

フランスの大統領選や議会選挙は他の国を見ると珍しく2回選挙を行う形式をとる。

具体的にいうと、1回目の選挙では各党候補者に対して国民は望む方向に投票する。

その中で過半数をとった候補がいた場合、その人が当選する。

しかし過半数を獲得した候補がいない場合、上位2名による決選投票が行われる。

なぜ2回行うのか?これは国民の民意を反映するためだからだ。

もし巨大候補によって票が割れた際、泡沫候補が漁夫の利で当選し、国民の民意を反映できないからだとしているからだ。

だから2回投票を行い、「国民から選ばれた本当の大統領(ないしは議員)」を選出するのだ。

しかし今回の選挙は棄権する事にも注目が上がっている。

 

棄権について

トッドの棄権

著名的な人物だと、E・トッド(歴史人口学者)である。

彼は、現在フランスで最も知性がある学者として有名である。なぜ彼が棄権することを表明したのか?

彼はインタビューでこう言った。

われわれはシステム崩壊の真っ只中にいる。大統領選はただの喜劇でしかない。」

courrier.jp

 彼は、2015年に書いた「シャルリとは?」にて履き違えた表現の自由と政治・移民の問題を訴えてきた。彼は、現代における無意識に行動するモードに対して警鐘を鳴らしている。さらに、南仏に多くいるとされるル・ペン女史の支持者に失望し、フランス国民を

エリートは民衆を裏切るが、民衆もまた凡庸なのだ。

 

と、言ってしまっているくらい国自体に失望している。

なら棄権するのもわかると言える。

 

急進左派の棄権

トッドの棄権については論理的で分かったが、一般的な国民はどうしているのか?

 急進左派政党左翼党から出馬していたメランション陣営(約700万票獲得)が、第一投票後にマクロンか白票かというアンケートを行ったそうだ。*2

結果は、「白票を投じる」と答えた人が36%、「マクロン氏に投票する」と答えた人は35%、「投票を棄権する」と答えた人が29%となった。

ということは、65%(約455万票)が棄権するということになる。

この数字を見たとき私は、「フランス国民はヤケを起こしたのか?」と考えてしまった。しかもデモを行い棄権を呼びかけているそうだ。支持者の人たちは勘違いし過ぎではないだろうか?支持する陣営が敗退してどうでも良くなって選挙を投げるのは、ただの政治家になった気分なのか?

普通負けたらどうすれば自分たちの思想が決選投票で反映させられるのかを考えるべきであると思う。

 

棄権とは?

上の二つの棄権をみてまとめると、以下に分けられる。

  1. 国の政治に失望して棄権をする
  2. 支持陣営が敗退し、選挙に失望する

前者を国政悲観型、後者を選挙悲観型と呼べる。

前者は元から国政に期待していないため選挙は要らないと考え棄権するタイプで、たぶん1回目の選挙から投票していないだろう。後者の方は、支持している候補者がいたが1回目の選挙で敗退したためどうでもよくなったタイプであろう。

日本では後者の方をあまり見られないため珍しいと思われる。今後首相などを公選制にする場合このようなタイプが必ず見れると思う。

 

さいごに

本日朝にはマクロン氏の圧勝で大統領選は幕を閉じた。

話によると、マクロン氏らが運営する政治運動は新進のため閣僚候補がいないとか・・・

そしてマクロン氏は勝利演説にて、分断されているものを統合するという旨を多く語っていた。ポピュリズムの風潮が流れている現在、どのような国家運営をするのか注目である。

最後にル・ペン女史は潔く負けを認めたそうだ。報道では今後の議会選挙に早くも焦点を当てているらしい。社会党グループが与党である議会は今後どのような動きをみせるのか?ここも注目である。

*1:1972年創立。フランス至上主義を掲げる国家・民族主義政党

*2:ル・ペン女史の方は政治思想が異なるため除外したそうだ